中田力著「脳のなかの水分子」の紹介です。この本は、その前に書かれた「脳の方程式いち・たす・いち」と「脳の方程式ぷらす・あるふぁ」の総集編のような。ものだと思います。
著者が主張しているのは、脳の渦理論です。脳の形は熱対流の法則に従った自己形成からなるというものです。
脳が球であって、その中心から熱対流のの法則に従ってラジアル線維が外側に広がっていき、それを伝って神経線維が外側に向かっていき大脳皮質となる。
大脳皮質ができると、ラジアル線維は、その役目を終え、消えてしまう。そうすると、その空間で熱対流のの法則により熱を逃がすことができる。コンピューターのように脳が働くと熱を起こすので、冷やすシステムが必要で、この空間がその役割を果たすのではないかということです。
著者は、二度のノーベル賞を受賞したライナス・ポーリングをリスペクトしていて、その忘れ去られた成果についても書かれています。
麻酔薬がなぜきくのか?これがちゃんと説明できないらしい。しかしポーリングはそれを説明していたらしい。脳の水分子がクラスター化することによって麻酔がかかる。水分子が動きにくくなるということかな?私が理解できてない部分も多いです。
水の振る舞いが脳の機能に関係があるということは確かだと思います。
著者の紹介のところにノーベル賞に最も近い研究者の一人と書いてありますが、2018年に68歳でお亡くなりになっているようで、残念です。
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